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「これが落ち切ったときは、わたしが星砂になる番なのだろうね」 妹とのごっこ遊びは、相変わらず続いていました。 「ごきげんよう、イザベル」 少女と形容される年齢からの卒業が間近に迫っていることに気づきつつあったわたしを、妹は飽きもせず少女の名で呼び続けていました。少女期に終わりが来ることになど、まったく思い至らないといった様子で。 あるとき、妹は言いました。 「ねえ、あなたは大人になんてなったりしないでしょう」 わたしはそれに、何と答えたのだったでしょうか。 妹は幼いころのままの白くほっそりとした手でわたしの手をとると、目を閉じました。この世界のすべてから目を背けるかのように。――わたしからも。 「少女はいつか大人にならなければならないなんて、そんなのは大人がつくった嘘よ。大人は嘘つきで汚くて醜くいもの。ねえ、誰が何と言ったとしても、わたしたちだけは、ずうっと少女のままでいましょうね。一日中汗を流して働いたり、たいして可愛くもない子どもにミルクをあげたり、しわしわのおばあさんになったりなんて、絶対にしないの」 がらんとした部屋で、わたしたちは静かに寄り添っていました。 妹はわたしの手に自由を与えると、わたしの胸元に手を伸ばしスカーフに触れました。     
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