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意味を持ちえない言葉遊びのように、戯れに囁く冗談のように、妹はその言葉をたびたび口にしました。
わたしはそのたびに頷くのです、微笑んで。
妹は、永遠に子どものままで居続けようとしていました。
わたしだけ未来に生きることなんて、ですから、できなかったのです。
妹には、わたしだけでした。
わたしだけしか、いなかったのです。
時計に囲まれてあなたの姿を眺めるとき、わたしの頭の中には、砂がこぼれ落ちるときのさらさらという音が流れていました。
それは風のない月夜を連想させるような、静謐で穏やかな調べでした。わたしはその音が聴きたくて、あなたのお店に足を運んでいたのかもしれません。
あなたのお店は相変わらず、あなたと時計たちで完結した、お客のいらないお店でした。わたしはその中でも、とりわけ必要のないお客であったと思います。時計を新調するのでも修理をお願いするのでもない、ただふらりと訪れては、ひとことふたこと言葉を交わし、飽きるまで時計を眺めるだけのお客。あなたはすきなようにすればいいと言ってくれましたが、それでもわたしは自分があなたにとって迷惑なお客なのではないかと、遠慮でも謙遜でもなく思っていたのです。
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