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あの頃から、いったいどれほどの月日が経過したのでしょうか。 わたしはいま、いくつなのでしょうか。 「あなたは、星砂になることができたのですね」 わたしは、胸元で鈍い光を放っているあなたに話しかけました。指先で触れると、ひんやりとした無機物の冷たさを伝えてきました。わたしの指も、おそらく同じくらいに冷えているのでしょう。 「あなたは、あのお店にいたときから、金色でしたよ」 羨ましいくらいに、そして、妬ましいくらいに。 あなたが金色なのは、金色の秘密を胸に抱いているからなのだと、わたしは勝手に考えて自分を納得させていました。ですから自分も金色の秘密を持てば、あなたからその秘密を受け取れば、金色になることができるのではないかと。自ら金色になろうとする試みに失敗したとしても、時間の輝きにあふれたあなたなら、わたしの錆びついた時間を色彩豊かなものに生まれ変わらせてくれるのではないかと。そんな他力本願な期待を抱いていたのです。 けれど、そんなことはありませんでした。 かつて金色の秘密を持っていたあなたは、金色でした。 それは金色の秘密のおかげではなかったのですね。あなた自身が金色だったから、あなたの時間も美しく輝いていたのですね。     
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