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通学路のじっとりとした灰色の空は気分が晴れない。
砂漠のような空気は全身から水分をじわじわと吸い取っていく。
冷え切った空間に指先からだんだんと体温を奪われる。
吐いた息は白くなりいつのまにか消えていた。
冬は嫌いだ。
末端冷え性の自分にとってこの季節は最悪である。
カイロがあっても手袋をつけてもマフラーを巻いても耳当てをしても寒いものは寒い。
顔面は隠せないし首や足元の隙間から冷気が入り込んでくる。
温かいところを本能が求めるためか、自然と歩みが速くなる。
首をすくめだんだんとスピードを上げて歩いても前の人がゆっくりなせいでなかなか進まない。
毎日その繰り返し。
これだから冬は…。
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