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第1問 幼なじみには何が足りないのか
「いってきます」
俺は、いつも通り同じ時間に学校へ行く。
どんなに寝坊したって絶対間に合わせる。
なぜなら。。
「あっ!おはよー!こう」
「ウッス」
彼女は、隣に住んでる幼なじみ、緑谷しずく。小さいころからずっと一緒だった。今は、女子高へ通ってる。だから、学校が別々なのだ。
朝のこの時間は貴重だ。
彼女は、可愛い。
最近ますます可愛い。
だからせめて学校行く途中まで、周りの奴等を威嚇したい。
まぁ、俺のもんでもないが…。
「こう、また背のびたんじゃない?」
「そーかな」
「そぉだよ、あーあ。昔は私の方が高かったのに…」
「いつの話だよ、俺ら、高校生だぞ?」
「…そぉだよね。学校楽しい?」
「まぁね、バスケやる為に受けた高校だからなぁ。勉強は自信ねーけど。」
「そっか。こうは、目標があるんだもんね!」
「おう!インハイ出場!…お前は?学校どうなんだよ」
「んー。女の子ばっかだけど、中には男らしい女の子もいて、刺激的だよ。やっぱ恋に飢えてる子が多いから、結構放課後に出会い求めて遊ぶ子いるよー」
俺は、ドキっとした。
「お前も?」
「私は…行かない。ピアノのレッスンで暇ないもん」
「あっ、でもホントは行きたいんだろ? お前楽しいこと好きだもんな」
「好きだけど、……だし。」
バスの中で声が聞き取りづらく、もう一度聞き返したが、降りるバス停に到着した為、しずくからは何を言ったのか分からないままだった。
その日の帰り。
珍しく俺は、部活が早く終わり、いつもしずくが乗るバスに間に合った。
だけど、乗ったバスには、しずくがいなくて、一旦乗るのを辞めた。
ベンチに座って、しばらく待ってみたが、しずくは、現れなかった。
俺は、そのまま歩いて自宅へ向かった。
すると、後ろから
「柴崎!」
俺を呼ぶ声に振り向くと、バスケ部マネージャーの桐沢陽菜がいた。
「えっ、どーした?桐沢って逆方向に家あるよな?」
「うん、でもスポーツ店に買い出しあったから。」
「それは、お疲れ様です」
「柴崎って、1年なのにホント堂々としてるよね」
「えっ、俺ってそんな感じ?」
「うん。…先輩方にも食らいついてくじゃん。」
「まぁ、目標達成する為には頑張らないとなぁ!」
「目標?」
「そっ!インハイ出場!目指せ!全国!」
そう言うと、桐沢は固まり、そのまま走って行ってしまった。
そして、しずくも見ていたのだ。
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