0人が本棚に入れています
本棚に追加
sideしずく
「あれ?まだ外は薄暗い…」
私は、デート当日めちゃくちゃ早起きしてしまった。
だって、こうとデートできるなんて楽しみ過ぎて、落ち着かない。
こうから誘ってくれた遊園地デート。
ちゃんと言えるかな?
自分の気持ちを正直に伝えられるかな?
「あれ?待たせちまったか?」
こうが、待ち合わせ場所に現れた。
「違いの、私が早く来すぎちゃったの」
そう。
待ち合わせ時間40分前に着いてしまった私。
「そ、そっか。ほら、切符」
こうから、電車の切符を渡された。
「ありがとう」
「ほら、行くぞ」
こうの優しい声。
やっぱり私は、こうの特別になりたい。
さっきから周りの女の子達の視線がこうに集中している。
長身で、カッコいい男の子。
つい最近まで、そんなことも気付かなかったのに。
こうの事を好きになる女の子が、これからどんどん増えていって、もし私よりも近い存在の子が現れたら…そう考えるだけで胸が苦しくなった。
「どうした?しずく」
「あっ、ううん。なんでもないよ」
「そっか。ところで、今日って何時までに帰れば大丈夫?」
「こうと出かけるって言ってきたから、特に時間気にしなくても大丈夫だけど。」
「じゃ、遊園地のあと行きたいところがあるから、付き合って」
「うん…」
なんだろう。
どこに行くんだろう。
私はドキドキしていた。
今日一日が楽しみ過ぎてニヤけてしまう。
さぁ、遊園地まであと少し!
最初のコメントを投稿しよう!