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覚醒
先輩の家は、高校からほど近い場所にあった。
神社の隣にある立派なお屋敷。
部屋はいくつあるのだろう。うちも大きめの和風家屋だけど、こちらのほうが一回りどころか二回りは大きい。
さらに立派な池があって、鯉まで泳いでいる。
「今日、うち人いないから。」
凛とした声で先輩が言う。先輩と二人きり、、、何だかドキドキする。
お屋敷に入る。全体的に暗い。広いせいか、夏なのに空気はひんやりとしていた。
木の階段を上り、先輩の部屋に入る。
10畳ほどの部屋には、カバラやタロット、陰陽道や風水などの西洋・東洋のオカルト関連本が詰まった本棚、水晶玉、筮竹などが置いてあり、さすがオカルト研究会会長の部屋といった感じだ。メイク台やぬいぐるみもあり、女子の要素もあるが、全体的に落ち着いた色で統一されている。
木を隠すなら森の中...本棚に魔導書らしきものはないかついつい見てしまう。
ふと、本棚の一角にスペースが空けられ、女の子の部屋に似つかわしくないものが置いてあるのを見つけた。両手の平で包めるくらいの仏像だ。
「先輩の家、神社なのに仏様を置いてあるんですね。」
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