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X-47Bはノースロップ・グラマン社が米海軍向けの機体として開発していたのだが、2016 年に開発がいったん中止されていた。その理由として一番大きかったのは、意外なことに、活躍の場を奪われると危惧した戦闘機パイロットたちによる反対だった。
しかし、多額の税金を費やして開発したX-47Bをそのまま捨ててしまうのはあまりにも惜しい、と考えた米海軍は、自律する空中給油機としてそれを再利用する計画を打ち出した。かくしてX-47Bの飛行テストが再開された。その矢先の出来事だった。
自律飛行テスト中の"ソルティ・ドッグ501"がいきなり応答しなくなり、姿を消してしまったのである。X-47Bはもともとステルス性の高い機体であり、レーダーには全く反応しない。従って行方を追うのはほぼ不可能だった。米軍は全力を挙げて捜索したが、ついに見つけることはできなかった。
やがて、事件に関与したとして基地関係者が逮捕された。その人物の自白により、X-47Bが某テロ組織へと渡った、ということが明らかになった。しかし、依然としてその行方を掴むことはできなかった。
それから約二年が経った。
某テロ組織を調査中のCIAから、戦慄すべき情報が飛び込んできた。独自の改造を重ねたX-47Bを使って、東京オリンピックの開会式を狙った大規模テロが仕掛けられようとしている、というのである。しかもその内容が……
福井県敦賀市の高速増殖炉「もんじゅ」を攻撃する、というものだった。
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