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とは言え、原子力発電所は非常に頑丈に作られているものなのだ。X-47B程度の機体が体当たりしようが、炉心へのダメージはほとんどない。
しかし。
某テロ組織は、地中貫通爆弾を所有している、という。これは6メートルほどの鉄筋コンクリートを貫通できるものだ。しかもX-47Bに搭載が可能である。
これを使えば、容易に「もんじゅ」の炉心を破壊できる。そして……
「もんじゅ」が炉心冷却に使っているのは、金属ナトリウム。それは外気にさらされると空気中に含まれる水分と反応し大爆発を起こす。京阪神エリアはほぼ壊滅するだろう。さらに、「もんじゅ」の燃料は半減期2万4千年のプルトニウム239を含む、MOX燃料。放出されたそれらは偏西風に乗り、大規模な放射能汚染を引き起こす。某テロ組織はそれを狙っているのだという。
そして、7月24日。
この日、新国立競技場では東京オリンピックの開会式が行われようとしていた。在日米軍の総力を挙げてテロを防ぐため、ヨハンセン中尉の飛行小隊は朝から若狭湾をパトロールしていたのだった。
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