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ストロベリー・ストロベリー
月に手が届くわけないでしょう？
ベリー・ベリー・ベリー、
甘いキャンディ口に放って
夜のことをぼんやり思い出す
わたしってなんだっけ？
赤い傘を買ったの あの子が持ってたから
いちごのにおいのする消しゴムと
イエローのスニーカー
花束はもちろん コスモスを
届かないものに手を伸ばすのは苦痛で
それをしあわせと呼ぶことはできなかった
今でも出来ないままで わたしは
今でも出来ないままで わたしは
なにも思い出さない今日を
なにかを思い出した昨日の後悔で
そっと埋め立てて そっと埋め立てて
明日はどんなことを考えようか？
きっと月のことを
届かないものに手を伸ばすことは
きっともうしないけれど
大人になってしまったので
かなしくも 大人になってしまったので
きっともうやめるの
秋はもうあの子の季節ではないと
月はもうあの子ではないと
手の届かない空中に浮かぶ丸いものは
ただの石ころであると わたしはそう決めるの
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