73話 オーバーテクノロジーと理気魔法 ~禁忌の領域~

10/10
28人が本棚に入れています
本棚に追加
/38ページ
 「ボス。現時点で【理気魔法】はボスしか使用できない。レイチェルさんの不要な記憶はボスが消去されたようですし、それに強引とはいえスタイナー家の一員となったようですので、あとは物質的な解決では…」 と建設的な発言を行うファビアンの話の内容が気にかかり、ロランは詳細を尋ねる。  「物質的な解決とは、レイチェルの部屋を用意するという事かな…」 とわざと論点を外し話をするも  「それもありますが、レイチェルさんの性能のスーツは今の世界では到底作れません。ボスなら作れるかもしれませんがボスが作っていないとあれば、古代文明の産物か別の世界の産物であるはずです。となるとレイチェルさんが使用していた【時や空間を超える乗り物】をボスが確保しておく必要があると思ったものですから…」  ロランは『さすがルディス率いる諜報部隊【SilentSpecter(サイレントスペクター)】の諜報員だけあって頭の回転は早い』と思いながらもファビアンの圧倒的とも言える分析力に一抹の不安を覚えるのであった。  『レイチェルが保有する知識はオーバーテクノロジー過ぎるが、現在でも魔法で代替させる事により実現可能な技術も存在する。【オーバーテクノロジー】の活用については今後ゆっくり思考していこう…』  『だが今は『ガラスハウス』と【砂栽培農法】のプロトタイプを実現する事が優先事項だが材料が届くまでは何もできない。それまではランドとともにリンデンスにおける鉱山・地下資源の開発とメラー海の海底に存在する【時空を超えるビークル】の引き上げ回収作業を行わなくては…』 と今後の予定を定めるロランであった…
/38ページ

最初のコメントを投稿しよう!