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谷底の花 作戦会議
森の地図に、気になるところや演習などで女の子がいないことが確実なところを埋めていった結果、かなり奥の方に行っている可能性が高くなった。
無事でいてほしいという思いと、だめかもしれないという相反する思いが、場の空気を支配する。先ほどからピアジェは目を閉じて身動き1つしない。
「ピアジェ殿、いかがですかな」
意地の悪い笑みを浮かべた老騎士が、顎髭(あごひげ)を持て遊びながら聞いた。
「………………」
『ピアジェさんは集中しておる。少し待ってはどうですか?』
「……グッ」
上官に諭されて、すごすごと引き下がる。この人がいってなかったら、俺がいっていた。
バカにしたような目で、ピアジェを見るのが気にいらない。
目をあけたピアジェはメイちゃんの写真を手にとり、しばらく考えこむと白旗をあげた。
「メイちゃんのマナを感じられないにゃ。でも……」
「ピアジェ?気になることがあるのか?」
「そう……にゃん」
珍しく、はぎれが悪い。
「幻の花……の辺りにゃん」
「幻の花?」
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