バグる

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現実に存在する人間がゲームのようにバグる。 奇妙以外の言葉が出ないが、それが此方の身に起こっている。 先生達も警察にどう説明すればいいかわからないし、現実であるかすら疑わしくなる。 唯一納得できそうな事象があるとするなら『幻覚』だろうが、果たして教室にいる全員が見るだろうか? わからないし、誰も信じない。 ……しかし 「ト、トカゲだぁああ!」 学校周辺の地域一帯にトカゲの雨が降る。 近所の空き地で1億円が掘り出される。 学校に隕石が落ちる。 そんな非現実的すぎる出来事が立て続けに起きた。 ……此方がバグった同時期に 「尼野良町は呪われてるよ」 櫻井はうすら笑みを浮かべてそう告げた。 「ねぇリッチー、私達ってこの世界で数奇の運命の巡り合いをしてると思わない?」 「まぁ……ありえないよ。今でも全てが夢だと思ってる」 「ところが夢なんかじゃない。此方君はバグってる。狂った事ばかり起きてるよね?」 櫻井は両手をかかげた。 「ねぇ、千載一遇の好機だと思わない?この期を逃すと良い思い出を逃すよ?」 「な、何言ってんの?」 「何でもしてみようよ。今なら全部できる気がする」 「……?」 「怪奇実験」
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