169人が本棚に入れています
本棚に追加
「へ?そんなつもりないですけど」
また訳のわからないことを言い出し始めた目黒に翼は、面食らうばかりだ。
「俺でもだな、それなりに…勇気はいったんだ。さらっと言ってみせたつもりだったが、まさか、また言わされるとは思わなかった」
言わされる?一体何のことだろう。
「あの…チーム長…」
「いいよ。言えばいいんだな? その代わり、2度と聞き返すな」
目黒は、一度翼から目を逸らして車の天井を見た。それから、翼に向いて息を大きく吸い込んだ。
「お前が」
一旦、言葉を切り翼を見つめる目黒。
翼は、嫌な予感がしてきていた。
聞きたくもないのに、妙なことを再び目黒から聞かされそうだ。
「好きだ。前から好きだ。千葉と付き合い出す前からな…これでいいだろ?勘弁しろよ。恥ずかしい」
言い終わると目黒はシートにもたれて腕で目を隠した。
目黒の腕で隠せていない耳がやけに赤くみえていた。
最初のコメントを投稿しよう!