ぐいぐい来る上司

13/13
前へ
/23ページ
次へ
「へ?そんなつもりないですけど」 また訳のわからないことを言い出し始めた目黒に翼は、面食らうばかりだ。 「俺でもだな、それなりに…勇気はいったんだ。さらっと言ってみせたつもりだったが、まさか、また言わされるとは思わなかった」 言わされる?一体何のことだろう。 「あの…チーム長…」 「いいよ。言えばいいんだな? その代わり、2度と聞き返すな」 目黒は、一度翼から目を逸らして車の天井を見た。それから、翼に向いて息を大きく吸い込んだ。 「お前が」 一旦、言葉を切り翼を見つめる目黒。 翼は、嫌な予感がしてきていた。 聞きたくもないのに、妙なことを再び目黒から聞かされそうだ。 「好きだ。前から好きだ。千葉と付き合い出す前からな…これでいいだろ?勘弁しろよ。恥ずかしい」 言い終わると目黒はシートにもたれて腕で目を隠した。 目黒の腕で隠せていない耳がやけに赤くみえていた。 image=512068122.jpg
/23ページ

最初のコメントを投稿しよう!

169人が本棚に入れています
本棚に追加