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目黒は手首を上げ高級そうな腕時計を見た後、床に置いていた翼のバッグを手に持った。
「あっ!それ、私のバッグです」
「知ってる。凄くわかる。安もののバッグだろ?」
「そりゃ凄く安いですけど…チーム長にはそんなこと関係ありません」
「ある。これからは、誰にもおまえを『安上がりな女』とは言わせないように」
目黒は言葉を切り、じっと翼を見つめて十分な間をとる。
十分に時間をためて目黒は目力を更に強めた。
そして、低い声で言いはなったのだ。
「俺がしてやる」
目黒の目力に圧倒され翼は、半歩後ろに下がっていた。
そんな怯えた様子の翼に気がつきもしない目黒。痺れた足をかばうようにして立っている翼を支えエレベーターホールへと歩き始めた。
「あのっ、 えっとチーム長?」
エレベーターの扉が開くと強引に翼を抱えるようにしてエレベーターへ乗りこむ目黒。
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