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徹が言ったとおり、普段アクセサリーの類は身につけていない。
だが、あくまでもそれは、オシャレを楽しむアクセサリーの話だ。
婚約指輪とか結婚指輪となれば、また話は別だ。オシャレとか関係なしに身につけるべきものだと、そこらへんは古風に考えている。
『俺もさ、どうせ普段しないなら高い婚約指輪なんかいらないと思ってたんだよ。きっと、結婚したら指輪なんてうざいだけだろ? 普段つけないんだからさ、俺も煩わしくなって結婚指輪なんか外すだろうしさ』
プロポーズという一大イベントを無事に終えた安心感からだろうか、徹は翼から離れた途端にいつも通り饒舌になっていく。
『指輪なんかなくていーよな?必要ないだろ。 あー、俺さぁ、喉がすっごい渇いてたんだよな。サンキュー』と勝手に言って徹は翼が持っていた缶ビールを受け取り、おもむろにプルトップを開けた。
喉を鳴らしながら美味そうにビールを飲む徹。
そんな徹を見ながら翼もプルトップを開けた。
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