暇なゴールデンウィーク

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暇なゴールデンウィーク

 妻は今夜の同窓会に出席するので、私の夕飯のためにカレーを作り終えた後、急いでおめかしをして出かけて行った。私はというと、カレーの匂いに染まった我が家に一人佇めば、付き合う女性もいなかった大学時代のアパートの物寂しさを追体験してしまうので、世の中の気楽なお休みムードにとって替えようと、どこへともなく外へ出た。  空が真っ青に光る昼下がり。時には散歩もいいものだ。などと適当に満足した風で出来るだけゆっくりと歩くように心がけている。桜は花びらが散って随分と日にちが経ち新緑に覆われていて、歩道脇はツツジが満開の紅でハレーションを起こしている。久しぶりに暑くなったゴールデンウィーク。私は肩に掛けていたタオルで顔を拭った。  ふと、交差点の向こうに目をやると、「真正・超科学館」などと書かれた、なんともインチキっぽい看板がぼんやりと見える。横断歩道を渡り、近づいて建物を見ると、以前は公民館だったか、何があったのか思い出せないながらも、手作りのインチキ臭さに興味をそそられ、私は中へ入ってみることにした。
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