三話「深淵から来るもの」

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 目的を聞き出すのは今かも知れない、ザジはそう思っていた。          「根の国とか言ってたが、神話では冥府を表すけど学者達は実在論が絶えないね」    カンチョウはブロックトイのパワードスーツからボディを降ろすと、終えた考察を並べる。    「だからこの場合は実在論と神話論の両方を取るべきだ、国ごと亡霊に成った霊王国」    「合点がつきますね」    ユナが関心する。    突然首が騒ぎ出す!。    「ソノ通リダ! 」    「我ハ″根切リ″デ一族ヲ討チ取ラレタ、口惜シイ! 」    「落チ延ビタ我ガ一族ハ、滅亡ノ前ニ土塊デ国代(くにしろ)ヲ造リ、埋メテ隠シタ! 」    「根コソギ討タレタ後! 地ノ底ニテ国トナッタ! 赦サヌ! 女モ子モ討タレタ! 」    暴れる様に喋る首、その内容は過激である。      (今なら色々聞けそう)    「悔しいのは解った、けどなんで地上に上がってきたの? 復讐のため? 」    ここでザジが首に語りかける。    「違ウ!ソンナモノ当ニ......カナワヌ」    「ダカラ! 多ク御霊ヲ集メテ、我々ハ古エニ聞ク″天″(アマ)ニ至ル、ソノ身ヲ龍ト成リテ飛ブ! 」    「飛ぶって......ファントムブースターで? 空の何処に行くんだ? 」       
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