一話「エピローグ」

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 それは彼女が鞄に付けている変な熊のヌイグルミだ。  ゲームセンターのプライズ賞品であり無意味に背後にチャックが付いている小物入れ紛い、いかにも余り物のですよと言わんばかりの代物だ。  (ついにキミのその機能が有効に扱われる時が来た! )  人形の札を小さく折って無造作に熊のヌイグルミの背中に捩じ込むと周囲を見渡し隠せそうな通気孔らしき部分に隠す。  (このままこの札が本当に式神になって逃げ出せばいいのになあー! )  最後に彼女はそう念じるように拝み、通気孔の奥まで捩じ込むと。  その奇跡の残滓は起こった......     
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