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宇賀神は、舌先をそこに動かした。
「全部舐めて確かめてから、だ」
物欲しそうにヒクヒクしているその入り口に、舌を押し込む。
「ああっ……!」
欲しい、とねだったくせに、一瞬逃げるように腰が浮くから。
捕まえて、更に深く舌を捩じ込む。
粘膜を舐め回して、唾液を流し込んで、身体の内側の熱を味わい尽くす。
ぴちゃ、と水音を立てて一旦舌を引き抜いて。
「ほら、全部、俺のだったぞ?」
宇賀神は、目を細めて笑う。
「後はこの奥を確認するだけだ」
俺の、暁臣。
あんな下衆、アキの表面を眺めただけだ。
それすらももちろん許せない罪だけれども。
暁臣の身体は、全部、俺だけのもの。
このナカがどんなに熱くてキツくて気持ちいいかなんて、俺の形だけを覚えて俺の出す欲望だけを飲み込んで、こんなに可愛くて綺麗で色っぽい顔で甘く甘く鳴くのなんて、全部俺だけしか知らないアキだ。
「暁臣」
愛しくて愛しくて堪らない。
「全部、俺のだ」
誰にも渡さないから、安心して俺の側にいろ。
ねだられたものを奥まで一気に押し込んで、より一層甘い悲鳴をあげる身体を強く抱き締めて、宇賀神はその唇に自分のそれを重ねる。
川嶋の記憶が、彼と出逢った後からの記憶だけでいっぱいになるように、何度でもこうして抱いてやる、と思いながら。
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