運動会

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学校に、着くと皆ざわつかせていた。 やはり、運動会前日は、皆緊張しているようだ。 僕のチームで、1番早いのは、最初に一緒に走った世界記録を取ったお婆ちゃんだ。 皆が運動会の話を、している中2人組の男子が、そのお婆ちゃんの話をしていた。 どうやら、その2人はお婆ちゃんに気があるらしい。 うちのクラスは、見た目は僕と同じ位の年齢だがこの世界では、高齢者。 一言で言えば、お爺ちゃんが若い子に手を出すようなものだ。 それでも僕から、見た感じでは男子2人がたぶらかされているようにしか、見えない。 正解が間違いで不正解が正しいような気持ちになった。 悪い事もしていない僕でさえ、心が痛む光景だ。 すると、内のクラスにそのお婆ちゃんが来た。 同じチームとして挨拶に来たらしい。 それは、良い事だがお婆ちゃんがセーラー服は、胃には、良くない。 するとお婆ちゃんは、声をかけて来た。 「君名前は?」 上手く聞き取れない。 「はい?」 「君名前は?」 駄目だ。 やはり聞き取れない。 「はい?」 表情を変えずに大きな声を挙げた。 「名前はっつてんだろ!」 やっと聞こえた。 「あ! 時田泪です。」 お婆ちゃんは、手を出して握手を酌み交わそうとした。 僕は、それに応じた。 「私の名前は、美波マリン…宜しく。」 「・・・・・マリン?・・・・・」 「私は、あなたにロックONしたから。」 「・・・・・」 「じゃあ、明日ね〜。」 「・・・・・」
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