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アナウンスが流れた。
【えーでは、まず始めに皆さんは動物と一緒に参加して頂きます。
その前に自己紹介させて下さい。
私、野川校長の右腕の右腕二転三転が説明させて頂きます。
動物は、各種自由です。
鳥、犬、猫、魚、虫なんでもありです
まず例をいくつか説明します。
犬をパートナーにした場合、四足歩行で走って頂きます。
以上です】
僕は思わず、口を開いた。
「ひでぇ、説明だな!
動物って言って置きながら何でもありって矛盾してないか?」
達也は、初めて参加の僕に説明してくれた。
「要は動物と一心同体になれば良いって事だ!」
結局、良く分からないまま究極リレーが始まった。
最初の人は、皆犬や猫で分かりやすかった。
けれど、次第にあべこべと言わざるを得ない事になりつつあった。
レンは白鳥を連れていた。
僕と同じ鳥類だ。
参考になると思い見ていた。
レンは、白鳥の如く足の爪先まで立てた様に伸ばし、まんま白鳥の様にトトトトトと小まめに足を刻み次の人へ繋げた。
駄目だ。
レンだけは、違うと思ったが完全にあべこべ風だった。
神は、カタツムリだった。
三途は、カエルを連れていて校長に至ってはマグロだった。
走る順番が野川校長になった。
いきなりレーンに惹かれた水槽に両手を揃えて、腰に起き体を垂直にしてダイブした。
水中の校長は、完璧な魚だった。
きよつけをしたまま泳ごうと肩を揺らすが頭部が下に向かって行き中々前に進めない。
5分位経った今もダイブした位置から全く進んでいない。
僕は、はっと気づき横にいる達也に言った。
「校長もうかれこれ5分は、水中にいるぞ!
大丈夫なのか?」
達也は、誇りを掲げた。
「校長は、エラ呼吸が出来る!
身も心も今はマグロなんだ!」
こんな身の引き締まってないマグロいないよ。
他の組みは、熱戦だった。
大が走る前に不安そうに、声をかけて来た。
「やぁ、泪君。」
リーゼントが1つに交わっていた。
「良かったな大!
道が繋がったんだな!」
「兄上!次出番だぞ!」
太い声が聞こえた。
弟だった。
「大!
お前、更生したのは良いけど弟の方が道が分かれちゃったじゃないか。」
小のリーゼントは、かつての兄貴同様2つに分かれていた。
「泪君、大丈夫俺は小の兄貴です。
弟の事は、僕が躾けます。」
大は、ハサミを出し、スパンッと右側の方を切ってしまった。
ゆっくりと、風が支える様に落ちた。
「・・・・・」
真剣に言った自分が恥ずかしい。
しかも、さっきから大の横で一緒に出場するゾウが、強い視線と鼻を僕に向けていた。
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