2.領主ひとすじの狼が飲酒モブレされる話

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 はちみつを採ってきたからと誘えばまず断られないことは分かっていた。気分が高揚して、遠吠えしろとやんやとはやし立てられて乗ったところまではハッキリ覚えている。その後高揚し続けた末に駆け出したような、駆け出さなかったような……?  なんにせよ作戦は失敗だった。手には酒杯のひとつもなく、隣に愛しい男はいない。おまけに体は力が入らなくてグニャグニャする。
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