3.領主ひとすじの狼が触手モブレされる話
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*** とは言え、ひとりでとっとと逃げてしまったことに恥ずかしさと後ろめたさを感じないほど薄情なわけではない。落ち着きを取り戻したルフは白い髪をしょんぼりと揺らして同行者たちを追いかけた。 しかし、あごを上げて風を吸い込んでも、追うのは簡単ではない。同行者のにおいはよく覚えているが、生き物が入り混じったような潮のにおいが強すぎるのだ。それに昔ほど鼻も良くない。
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