第二話

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第二話

 もう手遅れな気はしたが、俺はドアに飛びつくとノブを回した。予想通りノブは空回りするだけで、玄関ドアは開かなかった。 「何?! 何なの?! これ!!」  背後から莉々の甲高い声が聞こえてきた。  振り返ると、莉々の横で大也も床に座り込んでいる。  俺たちは屋敷の中に入った……というより引き込まれたというのが正解なのだろう。とても信じられないが、屋敷の中に上半身を入れたとたん、何かに引っぱられたのだ。そして玄関ドアは、内側からなのに開けることができなかった。  なんなんだ?! この家は。 「か、か、か、か……」  涙目で俺を見上げる大也は、たぶん俺の名を呼びたいのだろうが、言葉にならなかった。それに比べて、莉々はやや落ち着きを取り戻している。白い顔は表情は硬いままだが、もう口を閉じていた。  ……というか、この状況がまず変じゃないか。 「なんで電気がついてるんだ?」  俺の問いかけに二人も天井を見上げた。  白熱灯の暖かいオレンジ色の光が辺りを照らす。電灯の傘は布製で、先にフリンジがたくさんついていた。三十年前は流行していたのだろうか。     
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