第三話
全3/6エピソード・完結
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第三話

 莉々は俺の好みではないが、客観的に見れば美少女だろう。事実、中学入学当時は学校中で騒がれた。『私は勅使河原並の天才超能力者以外、つきあう気はない』という電波発言さえしなければ、男子からの人気も低下しなかったはずだ。  ところが今の莉々は……自慢の白肌はカサつき、ところどころシミも見える。目や口元だけではない、額にも深く五本の皺が刻まれていた。夏服から伸びた手足も枯れ枝のようで、背骨も曲がっているのか猫背になっている。短いスカートにツインテールが逆に不気味さを増していた。  俺のひいばあちゃんはいまだ健在で四月に米寿べいじゅを祝ったばかりだが、今の莉々の見た目はそのひいばあちゃんにそっくりだ。もちろん服装髪型以外で。 「その目! やっぱり、ひ、酷いんだ? 私」 「い、いや違う。この家のせいだ。きっと……ここだけの現象だ」  とにかく莉々を落ち着かせようとしたが、後から入ってきた大也が莉々を見て泣き出した。本人ですら泣いてなかったのに。 「き、木梨さん! なんてことだ~っ!」 「わ~ん、これじゃあ、もう勅使河原と結婚できないよっ!」     
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