第四話
全4/6エピソード・完結
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第四話

 その部屋は、寝室だった。  ただし、やはり窓はない。それ以外は八帖ほどの大きさの普通の部屋だ。  足元は毛足の長いベージュの絨毯。  クイーンサイズのベッドが二台並んでいた。肌触りの良さそうな真紅の上掛けカバーは、ホテルのベッドメイキング並みにシワ一つない。ベッドの反対側の壁には大きなサイドボードが置かれ、ガラス扉の中に本が数冊並んでいるのが見えた。  俺はふたたび頭を上げると、天井の扉を見た。  おそらくあれが屋根裏部屋への扉だろう。  収納式の梯子が入っていて、扉を開けば上がれるはずだ。  けれど、今のままでは手が届かない。  たしか開けるための道具があるはず。  俺は寝室中を探し回った。 「嘘だろ……別の部屋探さなきゃいけないのか?」  今にもヤツが気づいて上がってきそうだってのに。 「あ~、もう!」  自棄やけになって、ベッドの下をのぞきこむ。俺はそんなベタなところに大事な物は隠さないのだが。 「あ……あった」  俺は長い棒を引っ張り出した。先に鉤爪がついているから、きっとこれを扉のロックに引っ掛ければ開くにはずだ。棒の名称は何て言うのか知らないが。     
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