もう1人の自分

6/10
前へ
/10ページ
次へ
* * * 翌日、彼女は私の代わりに学校に行こうと制服を着た 「ゆかり、行ってくるね」 「・・・まって!」 「え?」 私は彼女が学校に行くのを止めた 「やっぱり今日は私が学校に行く。だから貴方はお留守番、いい?」 「うん。ゆかりがそういうならそれでいいよ」 「じゃあ、行ってくる」 そういえば最近、彼女ばかりを学校に通わせていた 私と彼女は記憶を共有できるわけじゃない だから私も時々は学校に行って、どんな感じが見ないとね そうしないと、勉強がわからなくなっちゃう 追いつくのに、3日はかかるっていうし 私は彼女のように完璧じゃないし、1度聞いただけじゃ理解できないから 「ゆかり~♪おはよー!」 「あ、おはよう!」 友達に挨拶されて、私も挨拶を返す 「ゆかり。最近、拓弥(たくや)君とはどうなの?」 「え?」 拓弥は、クラスメイトでイケメンで成績もいいから学校中の女子にモテている男子の1人 「えー、2週間前から付き合ったじゃん! もしかして、あまりに衝撃的なことで覚えてないとか?ゆかり、チョーウケる」 あははははと友達は笑う が、私には何のことかさっぱりだった すると、私は2週間前のことを思い出していた それはまだ彼女が来たばかりの頃 私は、彼女が早く学校に慣れるようにと、私の代わりに彼女を学校に通わせていた その頃は彼女が毎日、私の代わりに学校に行っていた その時に、経緯はわからないが、付き合うことになったんだろう 詳しく友達に聞いてみたら、告白されたらしい それにOKを出した私は彼と付き合うことになったとか だけど、それを彼女から聞いたことはなかった
/10ページ

最初のコメントを投稿しよう!

159人が本棚に入れています
本棚に追加