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* * *
「勝手なことしないでよ!!!」
私は家に帰るや否や、彼女を怒鳴った
「え?なんの・・・うっ!」
「本物の私でもないくせに!アンタは私の代わりでしょ!?成績を良くするために私が呼び出しただけ。だから、それ以上のことをされると迷惑なの!!!」
彼女の首を絞めながら、私は彼女に罵声を浴びせた
「ねぇ。それって、どういう意味?」
「はぁ?」
私は彼女の言ってる意味がわからなかった
「私は、たしかに貴方に呼び出さなければ、この世に生を受けることはなかった。
だけど、それと同時に完璧な自分を望んで、私を必要としたのは貴方よ、ゆかり。
意思を持つように育てたのも貴方。
なのに、それ以上のことをされると迷惑ってなに?」
「・・・・・」
彼女の言ってることが、あまりにも正論で私は言葉が見つからなかった
「感情を持ったら、好きに動くことはいけないこと?
私はもう貴方じゃない。それにね、私はわたし、貴方はあなた。
同じ人間は誰一人としていない。そうでしょう?」
「なに、それ・・・」
私は彼女を完璧の自分として呼び出しただけ
なのに、なんで、そんな奴に説教されないといけないわけ?
「消えて」
「え?」
「消えろって言ってんの!アンタが私じゃないっていうんだったら、アンタなんかいらない。どっか行ってよ!!!」
「ゆかり・・・」
「私の名前を軽々しく呼ばないで!!!」
「・・・・」
彼女は、私の前から居なくなった
あー、清々した
成績にこだわってた私が悪いんだわ
これで、明日からは私のままで学校に行ける
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