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「ゆかり・・・。本は1冊として同じ本がないように、人間もそうなの。
私が現れたことによって、自分は完璧じゃなくて、自分自身のままでいいんだよって気付いてほしかった。これは、そのための本なの」
「はぁ?なに意味わかんないこと言ってんの?」
「昨日の言葉、ゆかりには伝わってるとばかり思ってた。
・・・でも、それは私の勘違いだったんだね」
「今から死ぬっていうのにベラベラ喋るのね」
「ゆかり。取扱説明書、最後まで読んでないんだね」
「今更、それがなに?・・・うっ・・・お腹が」
私のお腹からは大量の血が流れていた
傷口はどんどん深くなっていき、痛みに耐えられなくなった私はその場に倒れ込む
「私は貴方、貴方は私でもある。それは私が意思を持ったとしても別。
だから、私を刺せば、ゆかり、貴方自身を刺したことにもなる」
「そん、な・・・」
「貴方もやっぱり、あの人たちと同じ道を辿ったのね・・・」
「・・・・・」
ゆかりと彼女は、それを最後に息を引き取った
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