第二話 リペア・マインド

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「だから、私も極力この力は使わないようにしているわ。今の世の中、平穏に生きるために。それに、心が壊れている人は今の世の中大勢いるのよ。そんな人たちを全て救おうとするほど、私は強欲な神様ではないし……」  彼女は寂しそうな表情で、語っていく。 「じゃ、じゃあ、どうして私を……、私の心を直してくれたの?」  私は、率直な疑問を彼女に問いかける。 「……え!?」  突然の私の質問に、時名さんは驚いた表情をする。そして、目を瞑り何かを考えているようだった。私は、時名さんの横顔をじっと見つめ、その答えが出るのを待つことにした。 「そうね、理由は……」 「……り……、理由は?」  私は、喉を鳴らし、彼女の答えを今か今かと待つ。 「……ごめんなさい。思いつかなかったわ」 「え!?」 「そうね、理子を救った理由は、後で理子が納得できる回答を考えておくわ。それで良いかしら?」 「あっ、うん……」  話の流れでつい「うん」と返事をしてしまったものの、まったく期待した答えではなかったのだ。どんな理由か気になってしかたが無かったが、無理に聞いても今はきっと応えてくれないと思い、いつか、時名さんが話してくれるのを待つことにした。  「……あ! そういえば、私が線路に落ちる時、誰かが引っ張りあげてくれたと思うんだけど、時名さん、その人のこと覚えている?」     
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