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第一話 二人の出会い
「……はぁ」
「……はぁ」
「……はぁ」
私は、甘い吐息を出しながら、その行為が終わるのをひたすら待つ。
火照った体も、高鳴る快楽も、すべては生理現象だ。
嫌悪感や羞恥心も度重なる行為で、既に無くなっていた。
これは、私達が生きていくために、必要な行為だから――。
空気を吸う、物を食べる、睡眠をとる……。それらの行為と何ら変わらない。
だから私は、それを当たり前のように受け入れている。
*****
「……ここは、駅……か……」
私の名前は『岬 理子(みさき りこ)』
十八歳の高校生だ。
暗く沈んだ意識が、少しだけ現実に戻る。今いる場所は通学に利用している、この町の寂れた小さな駅のホームだった。冷たい外気が、容赦なく駅中を吹きつけていく。私の体は小刻みに小さく震えだす。もうすぐ春という季節であったが、まだ学園の冬服だけでは肌寒いと感じた。
私は階段を上りホームに到着すると周りを見渡す。次の電車を待つ人達が、疎らに視界に入ってくる。
あれは、男女のカップルだろうか? ガイドブックを見ながら楽しそうに、何かを話し合っているようだった。
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