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「……えっ? 引っ張り上げたのも私ですけど。かなり強引でしたが、ああでもしないと間に合いませんでしたから。危機一髪とはまさにこの事ですわ」
当時を事を振り返っているのか、うんうんと頷いている時名さん。私は時名さんに近づくと、そのか細い腕の二の腕を両手で握ると揉み始めた。
「ひにゃぁぁぁ!!!!」
突然の私の行動に、言葉にならない驚きの声を時名さんが上げる。しかし、私は時名さんの二の腕を更に揉み揉みし続ける。
「……わ、私みたいにぷにぷにしていない……。時名さん……結構筋肉あるのね……」
「え、ええ、こ、これでも……腕力には……ひゃん……少し自身がありましてよ……」
恥ずかしそうに耐える時名さんの表情に、私はときめきのような何かを感じてしまう。
「あ、あの……、そ、そろそろ揉むのを止めて頂きたいのですけれど……」
「ご、ごめんなさい! つい……気持ちよくて……!」
名残惜しいけど、私は両手を時名さんの二の腕から離す。
「はぁ……」
時名さんは、顔を少し赤くしつつ、安堵した様子を見せるのだった。
それから、私と時名さんは、少し他愛のない世間話をした。
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