第三章 私と彼女のカレーライス

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 流石に、先程の買い物の内容を見てしまうと、時名さんに料理を任せるのはとても不安だった。帰り際に、さりげなくレシピを教えたけれど、念には念をということで、私も手伝うことにした。  キッチンもリビング同様の白を基調にした部屋になっていた。調理場を覗いてみると、綺麗に片付いていた。いや……もしかすると使われていないのかも……。   「それじゃあ、始めようか時名さん」 「ええ」  私たちは、早速二人で料理を始めることにした。 *****  カレーライスは、特に大きな問題も起きず、着々と仕上がっている。  時名さんは、意外というには失礼かもしれないが包丁さばきはとても上手で、じゃがいもも綺麗に包丁で剥いてくれた。ご飯は、少し多めの二合程炊くことにして、お米を研いで少し水を吸わせた後、炊飯器のスイッチを入れる。  豚肉を少し大きめに、玉ねぎ、人参、じゃがいもは一口大に切っていく。人参とじゃがいもは、煮崩れしないように面取りをして煮込んでいく。  少し大きめの鍋で豚肉を炒め、次に刻んだ野菜を入れていく。そして、ある程度炒めたら水を入れて灰汁を取りながら煮込んでいく。キッチン全体を、良い匂いが充満していった。 「じゃあ、そろそろカレールーを入れよう?」  カレールーに関しては、時名さんに食べたい物を選んでもらった。私は、カレールーの箱を手に取ると、その箱に記載されている内容を見つめる。     
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