1人が本棚に入れています
本棚に追加
そしてしばらく、二人でソファーにぐったりとしていた。部屋には、二人の呼吸音が微かに聞こえている。
「……それでは、お風呂に入りましょうか」
「えええええええええ!」
私は、部屋全体に響くような大声を出してしまう。時名さんの【お風呂】という言葉に驚きの声を上げてしまったのだ。流石の大声に時名さんも目を大きく開け、驚きの表情を見せていた。
「ど、どうかなさいましたの? お風呂沸かしますので、お先に入って下さい。着替えは私の部屋着をお貸し致します。ちょっと大きいかもしれませんが多分大丈夫でしょう」
「あ、うん……。あ、ありがとう……」
そういえば、私は着替えすらも持っていなかったことに今更気が付く。流石に制服のままだと皺が付いてしまうので、食事に続き衣類もご厚意に甘えることにした。
「それでは、沸かして来ますわね。15分程度で入れるようになると思いますわ」
激辛カレーライスから回復したのか、時名さんはいつもの様子に戻っていた。ソファーから立ち上がると、お風呂を沸かしにリビングを出ていった。
「…………」
リビングに一人になった私は、部屋に誰もいないことを確認する。
「ま、窓から見られていないよね……」
最初のコメントを投稿しよう!