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私の暗い気持ちも洗い流しているような、そんなシャワーだった。そして、私は大きめの湯船に足を入れる。少し熱めだったけど、熱いのは嫌いじゃないので、私は一気に全身を湯舟に入れ、肩まで浸かる。
「熱さが……身に染みる……」
おじさんのような台詞をいいながら、湯船に入った私は体を目一杯伸ばす。広々とした浴槽に体を伸ばすことで、お湯の暖かさが体の隅々まで伝わってくるようだった。
「理子、お湯加減いかがでしょうか?」
脱衣場から、時名さんの声が聞こえる。
「うん、すごく気持ちいい! こんなにゆったりとしたお風呂は本当に久しぶりだよ」
「それは良かったです。着替えとタオルを持ってきましたので、お使いください」
「うん、ありがとう。時名さん」
この時の私は、楽しい食事とゆったりとしたお風呂で、かなり気分が良かった。そんな、勢いで少し冗談交じりのことを話す。
「――でも、こんなにお風呂広いんだから、時名さんも一緒に入れば良かったのに」
しばらくの沈黙。お風呂に充満する湯気が、スローモーションのように感じた。流石に調子に乗りすぎたかもしれない。
「な、なーん、ちゃ……」
「……宜しいのですか……?」
声が重なり合ったお風呂場は、再び静寂に包まれる。
「も、もちろん! し、親睦を深めるには、裸の付き合いって必要ジャン!?」
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