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頭で考えるよりも、口が適当なことをしゃべり始めた。そして、自分でも分かるくらいキョドった声になっていたのが分かった。時名さんは、一度脱衣場を出た。ドキドキしながら、脱衣場を見守る私。そして、再び時名さんが脱衣場に現れる。どうやら、自分の着替えを持ってきたようだった。 脱衣場で服を脱ぐ時名さんのシルエットが写ると、私の目はそこに釘付けにされていた。そして、しばらくするとお風呂場の扉が開かれる。
「…………」
時名さんが、生まれたままの姿で私の前に立っている。
「ふふ、誰かとお風呂に入るなんて、いつ以来でしょう」
時名さんは、少し恥ずかしそうにしながら、体を洗い始める。
私は、湯船に顔を半分浸かった状態だった。チラチラと体を洗っている時名さんの方を見つつも、直視することができなかった。体全体に恥ずかしさが充電されていくような感じだった。
「ふぅ……」
時名さんが、体を洗い終える。
「それでは、失礼しますね」
「……う、うん」
時名さんは、静かに湯舟に入る。対面で私たちは、お風呂に浸かっている。
「ふぅ……、ふふ、いいお湯ですね」
「……う、うん」
気持ちよさそうな顔をする時名さん。私は間近で見る時名さんの裸を、やっぱり恥ずかしくて直視することができず、脱衣所の方に視線を反らせていた。別に同年代の女性とお風呂に入ったことは初めてではない。でも、こんな気持ちになるのは初めてだった。
「はぁ……」
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