第四話 私……変態さんかも!?

7/13
前へ
/195ページ
次へ
 頭で考えるよりも、口が適当なことをしゃべり始めた。そして、自分でも分かるくらいキョドった声になっていたのが分かった。時名さんは、一度脱衣場を出た。ドキドキしながら、脱衣場を見守る私。そして、再び時名さんが脱衣場に現れる。どうやら、自分の着替えを持ってきたようだった。 脱衣場で服を脱ぐ時名さんのシルエットが写ると、私の目はそこに釘付けにされていた。そして、しばらくするとお風呂場の扉が開かれる。 「…………」  時名さんが、生まれたままの姿で私の前に立っている。 「ふふ、誰かとお風呂に入るなんて、いつ以来でしょう」  時名さんは、少し恥ずかしそうにしながら、体を洗い始める。  私は、湯船に顔を半分浸かった状態だった。チラチラと体を洗っている時名さんの方を見つつも、直視することができなかった。体全体に恥ずかしさが充電されていくような感じだった。 「ふぅ……」  時名さんが、体を洗い終える。 「それでは、失礼しますね」 「……う、うん」  時名さんは、静かに湯舟に入る。対面で私たちは、お風呂に浸かっている。 「ふぅ……、ふふ、いいお湯ですね」 「……う、うん」  気持ちよさそうな顔をする時名さん。私は間近で見る時名さんの裸を、やっぱり恥ずかしくて直視することができず、脱衣所の方に視線を反らせていた。別に同年代の女性とお風呂に入ったことは初めてではない。でも、こんな気持ちになるのは初めてだった。 「はぁ……」     
/195ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加