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「くぅぅ……、私ってば恥ずかしすぎる……!」
先ほどの、自分の醜態を思い出す。まさか、時名さんに見とれてお風呂でのぼせてしまい、更に膝枕で介抱されてしまうとは、なんというご褒美……いや、失態だろう……。役得ではあったかもしれないけど。不甲斐なさと恥ずかしさで、悶え死にそうな勢いだった。
時名さんがリビングに入ってくると、私の悶絶している姿に驚いたようで
「り、理子、だ、大丈夫ですか……?」
心配そうに、私の方に寄って来る。
「う、うん……」
私はソファーに座りなおすと、頭を下げる。
「本当にびっくりしてしまいました。お風呂に入るときには気をつけて下さいね?」
「……はい」
うん、『穴があったら入りたい』そんなことわざが、今の私にはピッタリだろう。
それからしばらく、学園について時名さんと話しをした。主に学園の規則やイベント等の話が中心だった。そして話も一段落したころ時間を見ると、夜も22時を過ぎてきた。
「もうこんな時間……」
私は、不意に両親の事を思い出す。言いたいことを言って、家を飛び出した私。もしかしたら、心配しているかもしれない。
「私、ちょっと親にメールを出すね。一応ね……」
「……ええ、どうぞ」
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