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私は、またしても甲高い声を上げてしまう。時名さんの様子を伺うと、流石に慣れてきたのか余り驚かなくなっていた。
「ええ、ベッドはここしかございませんので」
何か羽織るものがあれば、私はソファーで寝るよ!……そういった提案をしようとした。でも、おそらく時名さんの性格からすると、自分がソファーで寝ると言い出しそうな感じだったので、黙って頷くことにした。
「う、うん、一緒で大丈夫! 大丈夫!」
こうして私たちは、一つのベッドで一夜をあかすことになった。
*****
「ふぅ……」
寝る前にトイレで用を足して、心臓の高鳴りを落ち着かせる。
「だ、大丈夫……大丈夫……。普通に寝るだけだから……」
私は自分に言い聞かせ、部屋に戻ることにした。再び部屋に戻ってくると、既に時名さんはベッドに半分のスペースを空けて、布団に入っていた。
「と、時名さん?」
上ずった声で呼びかけるが、返事はない。耳を澄ますと、微かな寝息が聞こえる。どうやら、時名さんは、私がトイレにいっている間に寝てしまったようだ。私は、しばらく時名さんを観察する。そして、湧き上がってくる衝動を抑えると意を決して、ベッドにはいることにした。
「そ、それじゃあ、失礼します……」
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