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布団に入ると、私は急激な睡魔に襲われる。隣で時名さんが寝ているという緊張感はあったが、それ以上に睡魔の誘惑が強かった。目蓋は、ゆっくりと無意識に閉じていく。今日は、とてもいろいろな出来事があった。もしかすると、私にとって人生の分岐点だったのかもしれない。
絶望――。そして希望――。
どうか、この希望が続きますように――。
そんな想いを抱きながら、時名さんの寝息を子守歌代わりに、私の意識は眠りについていったのだった。
*****
午前1時。
私は、予定通り目を覚ます。
隣では、理子が涎を垂らして幸せそうな顔で寝ていた。私はベッドから起き、机の上のティッシュを取ると理子の涎を拭い、様子を見る。気持ち良さそうに熟睡していた。この様子なら、当面は起きることはないだろう。
私は理子が起きないように注意しつつ、部屋の机からノートパソコンを持ち出すと、一階のリビングに移動する。そして携帯をテザリングモードに設定し、ノートパソコンを起動する。
起動後、メールソフトを立ち上げ、必要なメールの着信がないか確認する。
「うん、これね……」
着信履歴から【件名:調査結果】のメールを見つけると、私はそのメールを開く。そこには、理子に関する様々な情報が記載されていた。
その内容を、私は一つ一つ注視して確認していく。そして全て確認すると、私は深夜にも関わらず、記載されていたとある番号に電話をすることにした。
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