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私の脳裏に、いつもの光景が浮かびあがってくる。あの男に犯される直前の光景が??。こんなボロボロになった私に、尚も辱めをしようというのだろうか。ああ、でももういいや……。これが最後だから、もう一回くらい我慢しても何も変わらないだろう。もうすぐ、私は、あの人の手の届かない所に行くのだから。早く済ませて、私を楽にしてほしい??。
そんな願いを、私は思うのだった。
*****
私は前髪をかき分けると、深く、深く深呼吸をする。目の前の仰向けになっている、自殺しようとした少女の制服の胸元を開けると、躊躇なく下着の中に手を入れる。
「……貴方の心は、壊れてしまったのですね……。大丈夫……壊れてしまったものは、直せばいいのだから」
私の手から、まばゆい光が溢れ出してくる。その光は、私の手を通じ、仰向けの少女の中に流れ込んでいった。
『リペア……マインド……!』
それは、心を修復する奇跡の力――。
*****
ぼんやりと視界が明るくなってきた。深い深いノンレム睡眠から一気に目覚めたような、今までに経験したことのない程、頭がスッキリと感じることのできた目覚めだった。比喩的にいえば、それは、先ほど見た雲一つないこの青空のようなものだろう。
私は、死んでいなかったところ実感する。でも、何が起こったのかは、まったく把握することができなかった。……しかし、一つだけ確実の事があった。
誰かが、私に馬乗りして、胸を揉んでいる!
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