第5話

桐谷くんとすみれちゃん

いつの間にか二時間が過ぎ、私は塾に行かなければいけない時間になっていた。

「真帆ちゃん帰っちゃうの？」

あまり話せなかったけど、それでも寂しそうに言ってくれるナオくんもいい人だ。私は「すみません」とぺこりと頭を下げた。
さっちゃんがくるみに「私達どうする？」と聞いたけれど、くるみの答えは当然「まだいる」だった。

ジュンペイくんとナオくんもそれに賛同して、レントくんは何も言わなかった。

別れの挨拶もしてもらえないことに若干気落ちしながら、それでも後の二人には「今日は楽しかったです。ありがとう。レントくんも、来てくれてありがとう」とお礼を伝えて部屋を後にした。