ーPrologueー

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ーPrologueー

──何故、ワタシは此処にいるのか。 いつから此処にいて いつまで此処に居続けなければ ならないのか……。 窓の無い薄暗い部屋の片隅で ぼんやりと膝を抱えながら 青山ユヅキは何度も考える。 小さなノイズが思考の邪魔をする。 微かに聞こえるザーッというノイズは 外で雨が降る音なのか それとも頭の中から聞こえているのか。 コンクリート打ちっ放しの壁際には ストレッチャーみたいな簡易ベッド。 剥き出しに設置されたトイレ。 外側から鍵が掛かったドア。 ドアの下には食事が差し入れられる 僅かな隙間。 部屋と呼ぶには素っ気ない空間。 ──病室? 監獄?此処は何? 私の前には光り輝く道が 未来へと続いていたハズだ。 どこで間違えた。何をしくじった? 全ては、上手くいくハズだった。 思い出そうとする ユヅキの頭は割れそうに痛んだ。 それは、カラダがココロを護るべく けたたましく警報を 鳴らしているのかもしれない。 バラバラになりそうになる記憶を 繋ぎ止めるかのように ユヅキは両手で頭を押さえる。 朧な記憶の中で、時折断片的に見る悪夢。
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