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「あ・・・。そちらは・・・」
人目をはばかるように止められていた一台の車に私の目は釘付けになった。
「これ、さっきのやつですよね!?」
それはまさしく私が先ほど見たハイブリッド式の最新機であった。
その上、掲示されている値札は新車の半分にも満たない。
「ええ。まぁ、そうなんですが・・・」
「これ!これにします!!」
「あ、いやー。えーと・・・」
私が掘り出し物を見つけたと興奮気味なのに対して、店員の反応はまるでまずいものでも見られてしまったかのような雰囲気である。
「・・・もしかして、何かあるんですか?」
私が怪訝そうに尋ねると、店員は気まずそうに答えた。
「うーん。あると言えばありますね・・・。実は、非常に申しづらいんですが、こちらはいわゆる事故車両でして、納車してすぐに若い女性が中で亡くなっていたと聞いております・・・」
「構いません!買います!」
普段から霊だのプラズマだの非科学的なものを一切信じていない私にとってはこの車こそ運命の相手のように見えた。
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