終章

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   こんなの、初めて見るな。 「あの人、凄い美人だよね。見た事ないけど、これからデビューするモデルさんなのかもしれないね」 「私もあの位、身長があって美人だったら。きっと、モデルを目指すのになぁ」  野次馬の中の女子たちは、そんな尊敬や憧れの言葉を投げ掛けている。麗が横にいた時には、よく聞いた言葉だった。 「ねぇ、あれって麗さんじゃない?」 「えっ、嘘」  彼女に言われて、その野次馬の先へと視線を送ってみた。  海をバックに、綺麗な衣装に身をまとい。ポーズをつけているのは、間違いなく元カノの麗であった。 「麗だ、あれは麗だよ」 「ねっ、でも、前よりもかなり綺麗になってない?」 「うん……」  よく分からないけど、内面から出る綺麗さが以前とは比べ物にならない。  これまでの間に、麗に何があったのか知らない。しかし、新しい目標を見つけたんじゃないかなと思った。
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