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ダンテの『地獄篇』に次のような一節(第三歌、三十四~三十六行)があります。「三位一体の神が司る無限の道を人間の理性で行き尽くせると期待するのは狂気の沙汰だ」と。人間の理性や認識には限界があるというのは私たちにも本能的に感じることができる真実です。現在の私たちの科学力では太陽系を出ることすらかなわない。現実に私たちの住むことができる世界はこの宇宙全体で見ればひどく狭い。地球は宇宙空間に囲まれていて、その宇宙空間もまた認知不可能の宇宙の外側、虚無によってびっしりと取り囲まれている。私たちの世界は無の中にあるという大きな矛盾を孕んでいるのは面白いことです。私たちは無に浮かんでいるのです。
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