童貞を捨てた、あの日の空

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一瞬どきっとしたが、その意味について瞬間的に2通りの展開について思った。ひとつはLikeの意味の好き。何故そんなことを切り出すのかは分からないが、その次の彼女の言葉を聞けばおのずと分かってくるだろう。もう一つは、恋愛感情の意味での告白。だがそれは思い当たる節がなかった。 僕は動揺しながら、「えーと、どういうこと?」と答えた。 彼女は「だから好きだって言ってるでしょ!」と怒ったような口調で顔を本当に赤くさせてそう言った。その反応を見て、なんてベタな反応なんだ、と僕は思った。まさかとは思ったが、それはあまり想定していない方の展開であった。 それから彼女に、付き合うのか付き合わないのか、何故か強めの口調で問い詰められ、僕らは付き合うことになった。なんだかよくわからず実感が持てなかったがそうなったのだ。 それからというもの、彼女を見る機会がある度に、僕の意識は自動的にいやらしい目で彼女の体を見てしまうようになっていた。まあ、これは年頃なのだから仕方のないことだ。 付き合うことにしたが、彼女の方は特にこれといって今までと変わるところはないように見えた。しばらくの間、いつもと変わらない彼女との関係が続いた。彼女とは同じ高校に通ってはいたが、彼女は当時高校3年生だったので、1学年下の僕とは普段はあまり交流がなく、どうしてよいのか分からず、毎日彼女のことを想って悶々と過ごしていた。     
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