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「いや、どう考えても安定なら普通に官僚を取るでしょうよ」 「……知らねぇよ。そういう世界は面倒くさかったんじゃねぇの」 「えー、そうですか? 絶対に柏倉部長の影響でしょー!!」  浅見は、きっとその気になればいろんな選択肢があった。それこそ官僚になることも、政治家を志すことも、何だってできたはずなんだ。  それでも浅見がノンキャリの警察官になったのは―――― 「俺は知らない。けど、アイツくらい頭良かったら官僚ではトップになれない可能性はあっても県警(ウチ)なら間違いなくトップになれるだろ。そういう計算だよ、たぶん」  本当はわかってるんだ。浅見はそんなつもりで警察官を志した訳じゃないって。  だけど、結城部長の前で変に武川が浅見のことを掘り下げてくるから。俺は結城部長の前で浅見の話をしたくないんだよ、だから…… 「……お話し中失礼します」 「わっ……浅見っ!!」  話題の張本人がいきなり現れたので、武川が大袈裟なくらい仰け反りながら声を上げて驚いた。
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