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 ――――やっぱり、同情なのかな?  過去の浅見に今の浅見を重ねているから、俺は妙に感情移入してるのかもしれない。  俺は再び布団に倒れこんだ。いい加減着替えなくちゃいけないしシャワーも浴びなきゃならないのに、気力が湧かない。  思わず深い溜め息が出る。何なの、何で俺が凹んでるの?  スマホを手に取り、着信履歴を見つめた。表示されている浅見の名前……プライベートでかかってくるのはこれが最初で最後かもしれない。きっと、アイツのことだから“上司と部下”と決めたら完璧にその立場を演じるのだろう。  一度は越えた一線をなかったことにしようとしてる。  “頼さん……頼さんっ……”  だけど、記憶までは消せない。俺の身体に刻まれた浅見の痕が消えても、記憶だけは――――  そんなとき、突然スマホの画面が操作なしに切り替わった。  着信を示す画面。スマホが震える。 「……っっ……もしもしっ……」  スワイプする指を小刻み震わせながら、急いで電話に出た。 『もしもし。大丈夫か、柏倉』  ――――ああ、あなたはいつも俺が苦しんでいるときに現れる。
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