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少しだけ間があった。
俺は結城部長の言葉の真意を計りかねていたし、結城部長は結城部長で俺の回答を待っていたのだろう。
「……大丈夫っす!! さすがに3日休めば回復しますって。最近マジで休みなしでしたからね。独身の巡査部長はいいように使われちゃうから困りますよ!!」
俺は空元気を出してゲラゲラと笑った。それに釣られて結城部長もクスッと笑ったので、少しだけ空気が和らいだ。
『おまえも俺と同じ立場だな。……わかった。疲れてるだけって言うなら、ちゃんと飯食えよ。部屋に食べる物はあるんだろ? 何かしらは』
「……大丈夫です!!」
心配させまいと元気にそう答えたものの。そういえば、冷蔵庫は飲み物しかなくてほぼ空だったことや、レトルト食品やカップ麺類もストックがなくて週末まとめ買いをしようとしていたことを思い出した。
何もないじゃん。買いに行く気力もないし、今日は何も食べずにシャワーを浴びて寝てしまおう――――そう思いながら辺りを見回した、座卓に何かが置かれていることに気が付いた。
『……柏倉?』
「あっ……!! すみません、大丈夫です!! 夕飯食ってさっさと寝ます!!」
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